断捨離していたら子供時代の同級生を思い出して、胸いっぱいになった話

断捨離
きれいな折り紙

今、空前のシールブームが到来している。
大人も子供も一緒になってシール交換を楽しみ、何ならカップルでシール交換を楽しむ人もいるらしい。
私の子供の頃にも、シール交換をしている人がいた。
私は友達がいなかったので流行の遊びに疎く、「交換」と言われると「誰と?」という悩みに直結する。だから、私は集めていなかった。
たまに世間話の中で、「昔流行ったよね」と明るい笑顔で言われることがあり、内心ドキッとする。

私は折り紙が好きだった。
藤色、ピンク、黄緑、水色といった明るい色が好きで、大事にとっていた。

ある時、学校の工作の時間に折り紙が必要だった。
忘れて困っている人たちがいたので勇気を出して声をかけ、好きな色の折り紙を選んでもらって、あげた。
友達がいないと、人の役に立つとか感謝されるという経験が少ないので、口々に「ありがとう」と言われ、こそばゆい思いをした。

次の日、予期せぬことが起こった。
折り紙をあげたうちの一人が、昨日のお返しに、ピンクのキティちゃんの折り紙をくれると言う。
世の中にはキャラクターが描かれた折り紙があるということを、この時はじめて知った。
ちょっとキティちゃんは恐れ多い……と焦り、「ダイジョウブ、お返しは、ダイジョウブ」と言うと、なぜか、これもあげると追加で水色のキティちゃんもくれた。

それを見ていた人が、私も明日返すねと宣言しだし、次の日に次々と素敵な折り紙を差し出してくれる人が現れた。
もはや誰にあげたのかも覚えていないのに、机の上には、メタリックなピンク、千代紙、幾何学模様、両面に色がついているもの、リトルツインスターズ、ケロケロけろっぴ、可愛らしい柄の紙と透明の紙が2枚でセットになっていて合わせると素敵な柄になるもの、すべて初めて見る折り紙が置かれた。

それから数十年たち、この時にもらった折り紙を今も持っている。
自分でとっておいた折り紙と合わせると300枚ほど、お菓子の空箱に入っている。

久しぶりに箱をあけると、「お返し」をもらった時にタイムスリップする気がした。
箱にはカビのような茶色い斑点ができていて、折り紙には全体的に経年劣化を感じる。
何十年もずっと置いているだけだったから、そろそろ手離していい頃だと思う。
でも、ゴミ袋に入れられないまま、数週間が経った。

ある日、図書館で折り紙の本を借りた。
当時もったいなくて使えなかった折り紙を手に取り、忘れてしまった折り方を確認しながらツルを折った。
一度やってみたかった、全色明るい色だけのくす玉も作った。
満足するまで折ると、机の上はカラフルな作品でいっぱいになった。

ふと、公園で紙飛行機を飛ばしていたことを思い出した。
家の中で飛ばすと怒られるので、紙飛行機を持って公園に行き、一人で飛ばしては拾いに行き、また飛ばしていた。
我ながらシュールな遊び方だったなと思いながら、紙飛行機を折り、座ったまま部屋の上空に紙飛行機を飛ばした。
ひとつ飛ばすと、また折り、飛ばした。
満足するまで飛ばすと、部屋の床は紙飛行機でいっぱいになった。

もらったレアな折り紙は、しばらく眺めてから、全部ツルに折った。
ツルが一番上手く折れるから。
あの時、当然のように「お返し」と言って「お返し」以上のものをくれた同級生に、当時感じられなかったほどの感謝が何十年越しに溢れた。

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