トイレのクマ様

断捨離

結婚式の引き出物に、クマの形の石鹸をいただいた。

かわいい。おめでたい。
なんだかクマが幸せな空気を纏っている気がする。

可愛らしくラッピングされた状態のまま、トイレに飾った。
味気なかったトイレが一気に可愛らしくなり、トイレを掃除する頻度が増えた。
掃除をするたびに、クマがかわいかった。

トイレを掃除しているだけなのに、なんだか自分がちゃんと生活できている気がした。
次第にトイレ掃除を続けられている自分が好きになってきた。

買い物に行くと、トイレ掃除グッズを見ることが増えた。
クマに似合いそうな小さな観葉植物を見つけると、買ってクマの隣に置いた。

しばらく経ち、クマのラッピングの劣化が気になるようになった。
この劣化は、飾る時期の終わりを知らせているのかもしれない。
クマ本来の役目は石鹸なのだ、石鹸として使おうと決心した。
洗面所の石鹸が無くなったタイミングで、クマをラッピングから出して、石鹸台に置いた。

クマが、クマ色の丸い石鹸になった頃、トイレの観葉植物が枯れた。
トイレからクマがいなくなってから、掃除をさぼるようになり、水やりもさぼっていたのだ。

クマを置いてから、トイレだけは不思議ときれいに保てていたのに。
クマを断捨離したことも、水やりをさぼったことも後悔した。

トイレには神様がいると聞いたことがある。
あのクマは、私にとってのトイレの神様だったのかもしれない。

タイトルとURLをコピーしました