毛抜きはmade in Japan

断捨離

毛抜きをよく失くしてしまう。
眉毛を数本抜く程度にしか使わないのに、眉毛が気になったタイミングで、いつもどこにいったか分からなくなる。
仕方なく100円ショップで買ったら、見つかる。
なぜなんだろう。

ある時、外出先で机のささくれが手に刺さった。
たぶん、毛抜きがあれば取れる。
そんな勘のもと、100円ショップを探した。
ささくれさえ抜ければ何でもよく、とにかく安く済ませたかった。
でも、近くに100円ショップはなかった。

ドラッグストアに行った。
毛抜きは、300円台と1,000円台の2種類があった。
やっぱり100円よりは高いなと思いながら、300円の方を取りかけて、やめた。
100円とほぼ同じクオリティであろう物を300円で買うのが納得いかない。
1,000円の方を買った。

木のささくれは、あっけなく取れた。
この感じなら、300円でもよかった気がする。
予定の10倍の値段で買った毛抜きを見つめ、なぜ1,000円もする毛抜きを買ったのだろうと思った。

数日が経って、眉毛が気になった。
1,000円の毛抜きを使ってみると、いつもよりスイスイと抜けた。
0.1mmぐらいしか頭が出ていない短い毛も、掴み損ねることがない。
やっと掴めたのに、途中でするっと抜けてしまうことも、もちろんない。

思わず、毛抜きをじっと見た。
あの木のささくれは、この毛抜きだから簡単に取れたのだろうか。
パッケージはもう捨ててしまったから、商品名は分からない。
本体にmade in Japanとだけ彫ってある。

それから、眉毛が気になるたびに、このmade in Japan毛抜きを使った。
引き出しに100円毛抜きがあっても、made in Japan毛抜きが見つかるまで探した。
100円毛抜きでは満足できなくなっていた。

毎回探すのが面倒になり、引き出しの中に毛抜き置き場を作った。
分かりやすいように引き出しの一番手前にして、使ったら必ずここに戻すことにした。

毛抜きを探してイライラすることも、毛が抜けなくてイライラすることも無くなった。
使わなくなった100円毛抜きを捨てながら、豊かに暮らすとは、こういうことなのかもしれないと思った。

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