魔性の紙袋

断捨離

紙袋が捨てにくい。
高級ブランドのものでもないし、何年も使わずに置いていて、今後も使う予定はない。
それなのに、だ。
まとめてリサイクルに出そうとしては、手が止まる。
なぜ捨てられないのか、自分でも分からない。
私は一体、紙袋の何に魅力を感じているの。

特にバッグやコートを購入したときの紙袋。
100円ショップでは売っていないであろう大きなサイズにレア感があって、捨てるのが惜しい。
では、何かに使えばどうかと思うけど、それは間に合っている。
特に使用用途はない。
ほんとうに、なぜ捨てられないの。

なぜ別れられないの。
もういいかげん離れなきゃ幸せになれないの。
えい、とレアサイズの紙袋を半分に折った。
自分でやっておいて、あーあ、という気持ちになった。
ついてしまった折り目を伸ばしながら、ごめんと思った。

あ、でも、これで折って収納できるようになった。
省スペースで置いておけるようになったから……。
やはり、もうしばらく置いておこうか、と紙袋をじっと見た。

ゴマ粒ぐらいの虫が見えた。
……ひぃっ!

反射的に虫を退治した。
なにこれ、ダニですか?え?
身震いした。

そうだ、素敵な紙袋の正体は紙なのだ。
紙は虫を呼ぶ。
一刻も早く捨てなければと思った。
紙袋を全部ゴミ袋に入れ、何かが現れないように口をしっかり閉じた。

まだ安心はできない。
痕跡を消すように、フローリングクリーナーを使って床を隅々まで拭いた。

紙袋を捨てたくない気持ちと、虫を処理する気持ちを天秤にかける。
心の平穏、プライスレス。

虫を寄せ付けないお手入れを欠かさない女子力は、持ち合わせていないのだ。
どんなに素敵でも、虫がつく紙袋とは、うまくやっていけない。

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